冬は必ず春となる

苦難にあっても信じきり祈りきることで必ず道は開かれる

母の着物

先日、母の着物を買い取ってもらった。

 

朝から体調が悪く気持ちが悪かったが、業者さんと約束していたので我慢して実家に行った。

 

着物や帯を包んである紙から出し、10枚くらいづつ重ねておいて置いた。

 

業者さんが着物や帯を見ていく。

「お母さんは着物が好きだったのですね。結構、(特徴的な良い着物がありますよ。みたいなことを言われたが体調が悪く言葉を忘れてしまった)例えば、この着物にこの帯を組み合わせていたかもしれませんね」と母の着物と帯を見ながら母のことを見てくれた。

 

体調が良ければもっと進んで母の着物のことを聞きたかったが、体調が悪く聞くことが出来なかった。

 

着物の買取は悪徳も多い。

母は3度も押し買いにあっていた。

妹の結婚式に着ていた着物が無かった(帯はあったので棺に入れてあげた)

私の結婚の時に母が買ってくれた着物、母に預けていたものも無かった気がする。

「着物を買い取る」と言われれば、母はそれなりに良い着物を出したはずだ。

3度の押し買いで、何枚の着物を持っていかれたのだろう。

 

「着物買取」は家に上がり込む口実だったかもしれない。

指輪を「これは駄目よ」と母が見せただけのはずが持っていかれた。

この時に持っていかれた着物たちは、今はどうなっているのか。

 

もし今回も悪徳業者だったら怖いので、旦那さんも一緒に実家に来てもらった。

部屋の片づけで、のこぎりで小さく切ってほしいものもあったし。

 

でも今回の業者さんは、とても良い業者さんだった。

 

今回の買取業者さんは母が実家にいた時に、私が私と妹の成人式の時の着物と帯、母の着物(も、あったと思う)を持って近くのお店に行き、買取してもらった経験から、今回もそこの会社にお願いをした。

近くにあった店舗は今は無くなってしまったようだ。

 

同じ買取でも金目の物を奪おうとする業者と、持ち主であった母の着物が好きだという気持ちを分かってくれて、着物のセンスまで褒めてくれた業者さんとは雲泥の差がある。

 

全部とはいかなくても、母の着物や帯を大事に着てくれる人がいればありがたい。

残りは処分した。

 

その日は体調が限界で、片付けはせずに戻り、途中病院に寄ってから帰宅した。

 

 

 

実家に母の着物が無くなって寂しい気がする。