冬は必ず春となる

苦難にあっても信じきり祈りきることで必ず道は開かれる

穏やかな母の寝顔

母のことで祈っていたことは、絶対に苦しまないこと。

安らかに眠るように…です。

 

葬儀社に不安なことを電話で確認した後、すぐに病院から電話が入りました。

「もう、反応が無くなってきています。酸素マスクを始めました。」

 

これは、間もなくその時がやってくるのでしょう。

すぐに兄弟にメールをしました。

 

キーパーソンをしていると、電話が来るたびにドキッとします。

この時の電話に出るのも本当に怖かったです。

 

でも、次に電話に出た時が「その時」なのです。

「その時も怖い思いをするのかな?」と不安に思いました。

なるべく普通に夜を過ごし、少しでも早く寝るように努めました。

 

1時間ほど寝たころに電話が鳴りました。

ぐっすり寝ていたおかげで何も考えずに、すぐにスマホを取り電話に出ることができました。

 

母はすでに「息をしていない。」との事でした。

 

旦那さんを起こし、慌てずに。

寝たばかりなので髪も乱れていないし、顔も汚れていません。

出していた洋服に着替え、準備していた荷物をそばに置いて、旦那さんの準備が整うのを待っていました。

 

そしてスマホに登録しておいたタクシー会社に電話をし、出発。

タクシーに乗ってしまえば、兄弟の中で私が一番近いはずです。

 

…ところが「そろそろ病院が近くなってきただろう!もうすぐ着くよ!」と心の中で思ったその時、旦那さんが「一回戻っていいかな?」と言います。

 

「え?」と耳を疑いましたが「気になることがある!」と言うのです。

「電気マットの電源を切ってないかもしれない!」とのこと。

「嘘でしょう?」こんな時に、また家に戻るなんて。。

 

でも仕方ありません。タクシーの運転手さんに言ってUターンしてもらいました。

 

家に着き旦那さんが確認すると、やはり電源を入れっぱなしにしていたそうです。

 

そして、やっと着いた時には兄弟たちがすでに到着していて、死亡届まで出ていて、先生の姿もありませんでした。

 

死亡届まで出ているなんて、びっくりでした。

兄弟に話したら「でも電源が入ったままでは危ないから」と言うので「そうだよね。もう息をしていないって言っていたから、まだ良いとして、これが今にも亡くなりそうな状態だったら~」と笑って話をしました。

 

母の前で喧嘩するのは良くないですから。

 

ベッドに寝ている母はまだ温かかったです。

母の顔を見ると口が空いていたけど穏やかな顔をしていたので「うん。これは苦しんでない顔だね。」と言いました。

クゥークゥーと眠っている時間が多かったので、最期も寝むったまま逝ったのかと思います。

穏やかな顔をしていました。

 

口を開けていて最期までみんなを笑わして「泣かないでね!」って言ってるみたいでした。

持ってきた洋服に着替えをしてもらって、迎えの車が来るまで、みんなと笑顔で笑いながら母の好きだった歌を聞いたりして思い出話をしていました。

 

母の寝ているベッドの方でトントントントン…ずっと音がしていました。

たぶん母も話を聞いて話に参加していたのだと思います。