母との別れ
迎えの車が来て兄が付き添い、病院から葬儀場に母を連れて行ってもらい、自分たちはタクシーを呼ぶことにしましたが、病院近辺はタクシーが走っていないようで何処に電話をしても断られました。
仕方なく始発のバスに乗ることにしました。
そこからバスと電車を乗り継いでいくと、家に帰ってもまたすぐ打ち合わせに葬儀場へ向かわなければなりません。
なので実家に行くことにしました。
始発のバスも電車も混んでいて、朝から出勤の方は大変なのだと思いました。
実家で朝食をとると旦那さんが「打ち合わせは兄弟でやるのだから、ここに居ても仕方ないし仕事しに帰るよ」と言うので妹と相談し、旦那さんを帰らせました。
しばらくすると兄がやってきたので、「あれからタクシーに断られて大変だった」と言ったら笑っていました。
その後、妹夫婦が来て、妹が「洗うのあるでしょう?」と言うので「湯かんでしょう?あれだけは私もやってあげたいと思っているの」と言いました。
打ち合わせでその日に湯かんをすることになりました。
湯かんはとっても良かったです。
体を洗ってシャンプーをして髪を乾かして着替えをしてお化粧をしてくれます。
母が気持ちよさそうな表情をしているように見えました。
脚も浮腫んでいないし、顔も綺麗だし眠っているようでした。
そしてびっくりしたのが、手が透き通ってとても綺麗だったのです。
その2日後に家族で勤行をしてから母を連れて行きました。
晴女の母、施設に行くときも病院に入院するときも退院するときも、いつも雲一つない青空でしたが、その日も穏やかで雲一つない暖かい一日でした。
母が炉に入るときは、さすがに涙が出ました。