冬は必ず春となる

苦難にあっても信じきり祈りきることで必ず道は開かれる

前癌病変②

この病院に来て毎回のように先生が変わっている。

 

A先生、最初にここにきて検査した時の先生、その結果と手術の説明、予約をした。

B先生、手術をした先生。

C先生、入院してから手術前後の検査をした先生。

 

そして退院後初めての検査と検査結果はC先生だった。

その時の結果は「良いです」

これから3か月ごとに検査をしていきます。

 

だけれど、C先生がまたその次の検査と検査結果を担当してくれたのだけれど、

この先生、非常に口数が少ないのか、説明がうまく出来ないのか、検査結果が「ダメでした」だけで詳細が無い。

そして、「子宮を取った方が良いんじゃないですか」と言われた。

 

「子宮を取る?」もう帰りの頭の中はショックでかなり落ち込んでいた。

ダメです。と言うことは再発ってことなのか。

子宮を取ることを勧められたわけだから、子宮を取った方が良いんだろう。

毎日いろいろ考え、涙が出てしまった。

 

C先生は産科の方に移動になると言っていた。

 

子宮頸がんについての本を買ってみた。

癌になってしまうと大きな手術になり、子宮だけでなく卵巣まで取らなくてはならない。

そうなるとリンパ浮腫が出やすくなり、足が浮腫むことが多々ある。

とてつもなく太い脚の写真が本に載っていた。

また、尿も出にくくなり自分で器具を使って尿を取らなければならなくなることもある。

便を漏らすようになることもある。

 

そうなると仕事も生活も今まで通りにはいかなくなる。

外出も制限されて難しくなる。

確かに子宮を取ってしまえば子宮の癌にはならない。

大きく手術をしなくてはならなくなる前に、子宮だけを取ってしまった方が良いのかもしれない。

 

癌患者の生存率が高くなってきた!と聞くが、生きていても生活が制限されて誰にも会いに行けない、楽しみも無い生活では生きていても仕方がないと思った。

 

この本を書いた先生の病院、ここにセカンドオピニオンをしたい!

次の検査まで、3か月なんて待っていられない。

N病院に電話をして「紹介状が欲しい!」と受付の人にお願いした。

 

数日後、D先生から電話がかかってきた。

セカンドオピニオンをしたい!って、それってどういう意味か分かっているの?」と先生が言った。

「子宮を取った方がいいので、セカンドオピニオンしたいんです」と私が言うと、

「なんで子宮を取るの、そんなことはしなくて良いから、僕が今度診てあげるから!」と言われた。

 

次の検査、D先生が診てくれた。

「こんなことでセカンドオピニオンだなんてしたら、その先生に笑われるよ!」と言われた。

子宮を取りたいことを伝えて、この病院での手術法を聞いたりもした。

でも先生は「子宮なんて取らなくていいでしょ」と言う。

でも、それは、もともとはここの病院のC先生が言い出したことだ。

 

このD先生がまた、とんでもない先生だった。

この病院はチームを組んでいて診療、治療をする。

その1つのチームの一番偉い先生だった。

一番偉いということは、忙しいということ。

次にその検査結果を聞きに行った時には、違うE先生が説明した。

「細胞異形成低度です。2か月後にまた検査に来てください」と言われ、

「今までは3か月後だったけれど、今度は2か月後ですか?」と聞き返すと

「そうですよ。再発なんですから2か月ごとに検査をしなくてはなりません」と言われた。

 

今度は「再発」と言う言葉をきっちり聞いた。涙が出てくる。

 

もうずっとお題目を1時間以上毎日あげていた。

毎日、涙が出てくる日々が続いた。

命と言うものに向き合い、なんで人は生まれてくるのか?と思った。

お題目をあげているうちに、人は幸せになるために、そして誰かを幸せにするために生まれてくるんだと思った。

 

自分の命を守るためにお題目を上げながら、ネットで情報を集めて、子宮頚癌に強い病院を探した。

手術法もいろいろあるが、詳しいことがよくわからなかった。

 

2か月後に検査に行くとD先生にセカンドオピニオンをしたいと言った。

セカンドオピニオンをしたいってことは、どういうことだかわかっているの?この診療に不満があるってことだよ!危ないところを手術したんだよ!危なかったんだよ!」と不機嫌そうに言う。

つまりは自分のプライドを傷つけられるから、セカンドオピニオンさせたくないわけなのだ。

「でも再発してしまったので。」と言うと「再発って」と馬鹿にしたように言う。

でも再発って言ったのは、ここの病院のE先生だ。

「2か月ごとに検査をするんですよね」と言うと「ここの病院では3か月ごとの検査です。2か月だなんてしません。」と言われた。

 

ここの病院は60代のこの偉い先生、50代の手術してくれた先生以外、検査や結果を説明する外来の先生は20代前半の大学を卒業したてのホヤホヤ先生しかいないみたいだった。

中間層のバリバリの30代40代がいない。。

だから説明も上手く出来ないし、頓珍漢なことを言う。

患者の私は何を信じていいのかわからないし、悪い方向で物事を考えて精神的に参ってしまうし、振り回されてしまう。

 

「子宮を取りたいんです。その手術方法を他の病院では違う方法もあるようなので、それが知りたいんです。ここは開腹手術だけですよね」というと「開腹手術なんて、ちょっと10センチ切るだけじゃない」と言われた。

 

「この病院に不満があるんじゃなくて手術法が知りたいだけなんです」と言って譲らず、紹介状をお願いした。

「書いておくから取りに来て!」

  

本当はセカンドオピニオンのタイミングをいつにすれば良いのか、そういうのも含めて相談したかったのだが、ここの病院の雰囲気そのものがもう私をどうしようもない我儘な患者のような目で見ている。

病院のプライドって、患者の命より大事なのかな?

 

紹介状をFAXでセカンドオピニオン先のK病院に送ると、電話が来て手術で取った検体がほしいのでN病院に言ってくださいとのことだった。

 

N病院の受付に電話をするとD先生が不在なので先生と連絡を取ってくれると言われた。

少したって受付から電話が来て「N病院では検体を患者に渡すということはしていません!」と先生が言ったであろうそのままの言葉をピシャリと言われた。

まぁ、そりゃそうだろう。保存なども含め、検体を私が預かれるわけはない。

でも、よほどこの病院にとって私が厄介者なんだろうな。

人を思いやる気持ちが言葉の中に全くないな。

そう思いながらK病院に電話をすると、「あとは直接N病院と話をしますので、大丈夫ですよ。どこに連絡すればよいのか教えていただけますか?」と言われ、婦人科の受付の人の名前を告げた。

 

そして数日後にK病院から連絡があり、セカンドオピニオンの日時が決まった。